「カササギ殺人事件」のあらすじと感想:構想から執筆まで15年という緻密なストーリー

なにか本を読もうと思うとき、売れてる本とか賞をとった本を探すようにしている。

 

やっぱりみんなから評価されてる本っておもしろそうだからね。

 

で、今度はミステリーを読もうと思って探してたらすごいのがあった。

 

本屋大賞翻訳小説部門第1位」、「このミステリーがすごい!海外編第1位」、「本格ミステリ・ベスト10海外編第1位」など、全部で7冠取ったすごい作品を見つけた。

 

その名も「カササギ殺人事件」。どうやら2016年に刊行されたらしい。

 

さっそくこの本を読んでみることにした。

 

 

 

作品情報

著者

アンソニーホロヴィッツ

1995年生まれ

イギリスの小説家

ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーになる。

また、人気ドラマ「刑事ファイル」「バーナビー頸部」の脚本を手掛ける。

日本では、

という結果を出しており、高い評価を得ている。

 

あらすじ

1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけて転落したのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。燃やされた肖像画、屋敷への空巣、謎の訪問者、そして第二の無惨な死。病を得て、余命幾許もない名探偵アティカス・ピュントの推理は――。

 カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫) の作品紹介より引用

 

ある日、鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れている彼女がいた。

 

彼女の死は事故として処理されたが、もしかして殺されたのではないかという疑惑も生じてきた。

 

そして、同じ屋敷で、また一人無惨な死を遂げる。これは明らかな殺人だ。

 

そこで登場したのが名探偵アティカス・ピュント。彼はこの2つの死をどう読み取ったのか。

 

さて、犯人はだれなのか?

 

・・・という感じのストーリーと言いたいが、実はもっと深い話だった。それは読んでのお楽しみ。 

 

 

カササギ殺人事件」の感想

 

本格ミステリー小説だが、それ以上に全体の構成にアッと驚かされた作品だと思った。ミステリーが好きだがまだ読んでいない人にはぜひオススメしたい作品だ。

 

実績がすごい!

先ほども書いたが、

の7冠をとった作品。すごくないわけがない!

 

どこにこんなに1位を取れる作品があるんだよって感じの小説だ。

 

しかも、「週刊ミステリーベスト10」・「本格ミステリ・ベスト10」・「このミステリーがすごい!」・「ミステリが読みたい!」では、同じアンソニーホロヴィッツが書いた「メインテーマは殺人」が1位を取っている。

 

同じ作家が2年連続1位を取るって、どれだけすごいんだよって感じだ。

 

とにかく、アンソニーホロヴィッツはたくさんの評価を得ている作家であり、「カササギ殺人事件」は7冠をとった作品だから、読まない手はない。

 

この小説は本当に本格的ミステリーだった!

もしかしたら殺人かもしれないという事故が起きた。そこは鍵のかかったお屋敷だった。いかにも怪しい場面設定。

 

そのあと今度は無惨な殺人事件が起きる。

 

そして、アティカス・ピュントという探偵が登場し、いろんな人に話を聞く。

 

多くの登場人物が出てきて、誰が犯人かわからない。一人ひとりに焦点が当てられて群像劇仕立てで物語は進んでいく。

 

物語が進んでいくにつれ、ジグソーパズルのピースがだんだんハマっていくように真相に近づくのだが、最後の最後まで真相はわからない。

 

いったい犯人は誰なんだ・・・!?

 

この「カササギ殺人事件」は本当に緻密なストーリーだった!!!

 

下巻に入ると、この作品のすごさがもっとわかる

実はこの作品、上巻と下巻がちがう話になっている。いや、同じ作品なのだが性質がちがうものと言っていいのか・・・。

 

これ以上いうとネタバレになってしまうのでぜひ読んでほしい。

 

ちょっと突っ込んでいうと、上巻の最初の部分に若干の違和感を感じながら読み始めたのだが、下巻に入ってやっとその意味がわかる。

 

え!?こうなっていたの!?

 

そんな気持ちを強く抱いた。こんなミステリーは読んだことがなかった。下巻を読み進めていくうちにだんだん話が見えてきて、壮大すぎて感動した。

 

派手なトリックがあったわけではないが、この物語全体があっと驚くしかけであり、こんな作品に出会えたことが本当にうれしく思った。

 

 

最後に

 

アマゾンのレビューでは低評価もあるが、やっぱりこの作品はすごい。おそらく低評価をつけた人は、もっと驚くべきトリックを望んでいたのだろう。

 

あと、ちょっと長いのかもしれない。

 

でも、こんなに緻密な構成の作品はめったにないと思う。さすが、構想してから完成まで15年かかっただけはある。

 

ワタシ的にはこの作品を読まずに死ななくてよかったと思っている。