私は本当に影響を受けやすい。
いい影響ならば、それはよい。しかし、何かいやなことをされるとすぐに反応して、ずっと引きずってしまう。
人から影響を受けるだけではない。何か悪いことがあると、すぐに何かのせいにしてしまう。
私は物事の原因を外部にもとめてしまう人間だ。
そこが私の弱点であり、なおしたい。さて、どうしたらいいのだろうか。
そのヒントが「7つの習慣」にあった。
「7つの習慣」の「第1の習慣」に「主体的である」というのがある。
それを実践していけば、悩まなくてすむのではないかと思うのだ。
今回は、私なりに「主体的」になる方法を考えていきたい。
完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change
- 作者:スティーブン・R・コヴィー
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: Kindle版
反応的にならない
「反応的」とはどういうことか。7つの習慣から適当に引用したい。
反応的な人は、周りの物理的な環境に影響を受ける。天気が良ければ、気分も良くなる。ところが天気が悪いと気持ちがふさぎ、行動も鈍くなる。
「反応的」の反対が「主体的」だ。
主体的な人は自分の中に自分の天気を持っている。雨が降ろうが陽が照ろうが関係ない。自分の価値観に基づいて行動している。質の高い仕事をするという価値観を持っていれば、天気がどうであろうと仕事に集中できるのだ。
簡単に言ってしまうと、「反応的」な人は、なんでもまわりのせいにする人だ。
うまくいかないときは人のせい。悪いことがおこると人のせい。
自分が不幸なのは親のせいだし、国のせい。
仕事がうまくいかないのは会社のせいだし、自分の業績が悪いのは上司のせい。
自分のせいではなく、全てがまわりのせいなのだ。
ただ、正直言って、私も反応的になってしまうことがしばしばある。
最近、仕事で売上があがらない。
それを、扱っている商品のせいにしたり、広報のせいにしたりする。もっというと、コロナのせいにしたりもする。
また、私はそんなに頭がよくないし、要領も悪い。
それも、子どもの頃に親がしっかり教育してくれなかったからだと思っていた。
自分の能力や、自分の責任でやっている仕事を、私は他者のせいにしている。
そして、私みたいな人間は、自分を取り巻く環境に大きな影響を受けてしまう。何か悪いことが起きると環境のせいにしてしまうのだ。これは不幸なことだ。
逆に「主体的」な人は、自分の中に天気を持っているという。おそらくこれは、他者の影響を受けず、自分の感情や行動をコントロールできるということだろう。
そういう人間は、環境の影響を受けない。
だから反応的になってはいけないのだ。
「反応的」ではなく「主体的」な人間になることが、何事にも左右されず、自分の価値観に基づいて行動できる秘訣なのだ。
刺激と反応の間には選択の自由がある
なにか悪いこと(刺激)が起きたとする。
そして、いやな気持ち(反応)になる。
これがふつうの反応だ。
たとえば、最近、業績が落ちてしまった私は、職場の人に散々嫌味を言われた(刺激)。
そして、めっちゃムカついてしまった(反応)。
こういう反応をするのは当たり前だ。
最近を振り返ってみて、「ここ1~2週間の業績が落ちただけで何を外野がピーピー言ってるんだよ」と私は怒り狂っていた。本当にやってられないと思ったし、仕事を本気でやめたいと思った。
ところが、「7つの習慣」によれば、その反応を変えることができるのだという。
むかしフランクルというユダヤ人の精神科医がいて、ナチスの強制収容所に送られてひどいことをされたそうだ。ところが彼は傷ついていなかった。
なぜなら、
何が起ころうとも、それが自分に与える影響を自分自身の中で選択することができた
からだ。
フランクルは、拷問を受けている最中に、このことから得られた教訓を学生たちに話している自分を想像したそうだ。
私だったら拷問を受けたら泣きながら「やめてください」と叫ぶだろう。いやでいやでたまらなくなるだろう。
ところがフランクルは、自分自身頭の中で、いやな現実を明るい未来に変換していたのだ。
たとえ悪い刺激を受けたとしても、人は、その反応の仕方を変える自由を持っているのだ。
そう考えると、さきほどの私の例も、同じことが言える。
職場の人に嫌味を言われた私は、どうすればいいか。
ただ、嫌味を言われないように奮起しようと思うだけでいいのだ。
わざわざムカつく必要はない。嫌味を言われて、それをストレートに受け止め気に病むことはない。ただ、考え方を変えるだけでいいのだ。
考え方を変える自由を私は持っているのだから。
反応的な人間にならないためには、刺激に対する反応の仕方を変えていけばよいのだ。
そこは少し、ポジティブシンキングに似ているかもしれない。
自分でコントロールできない問題は必ずある
7つの習慣では、私たちが直面する問題を3種類に分類する。
直接的あるいは間接的にコントロールできる問題はそんなに面倒ではない。
問題は、コントロールできない問題だ。
大きなことをいうと、地球の環境問題など全くコントロールできない。現代社会において最大の問題である、コロナウイルスだってコントロールできない。
世の中コントロールできない問題ばかりだ。
だからといって、すべてまわりのせいにして終わりというわけにはいかない。結局、その問題が起きている社会で生きていかなければならないのだから。
ではどうすればいいか。「7つの習慣」の中では、こう述べられている。
自分でコントロールできない問題の場合には、その問題に対する態度を根本的に改める必要がある。
コロナウイルスが蔓延する社会は変えることができない。
だからといって、いつまでも悲観的になってはいられない。「国は何をやっているんだ」と怒ったところで何も変わらない。
こういうときは、自分の態度を変えるしかない。
まずはそれを受け入れることだ。そして、先ほど述べたように、自分で反応の仕方を変えていくだけだ。
ありきたりの言い方をすれば、ポジティブに考えていくことである。物事の見方をポジティブにしていくのである。
決して他者のせいにせず、自分に降りかかる出来事をそのまま受け入れ、そしてポジティブな気持ちに変換していく
これが、いちいち何かが起きたときに悩まずにすむ方法なのだ。
問題に対する態度を変えていく、つまり自分のあり方を変えていくとよい。
世の中、常に自分ではどうしようもできない問題が起きている。そんなとき、それに動じないように、自分のあり方を変えていきたいと思う。
最後に
私は、何かいやなことが起きるとすぐにカッとなったり、悲しくなったり、落ち込んだりしてしまう。
それは、いちいちまわりの出来事に悪く反応してしまうためだ。
もっと、自分の心の中にに自分の天気を持ち、何かが起きても、自分の心を自分でコントロールしていきたい。
そうすれば、もっと楽しく生きていけるだろう。
「7つの習慣」にある第1の習慣「主体的である」、これを身につけて、いい人生を送れるようにしていきたい。
完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change
- 作者:スティーブン・R・コヴィー
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: Kindle版