あの名作、ドラゴン桜が帰ってきた。そして早くも終わってしまった。
前作は、若き頃の山Pやガッキーが出演していたし、原作のマンガも話題になっていた。偏差値36の高校生たちを東大に合格させるというストーリーが世間にウケていたと思われる。
あの頃とちがっていまは教育に対しても多様な考えが生まれているが、果たしてこのドラマは多くの人の心を打つような作品になるのだろうか。そう思いながら視聴し始めたのだが、そんな心配はまったくなかった。
ドラゴン桜はやっぱりおもしろかったのだ。
それでは、このドラマの感想を書いていこうと思う。
「ドラゴン桜」情報
放送時期
2021年4月~6月
TBS系「日曜劇場」枠
スタッフ
音楽:木村秀彬
プロデューサー:飯田和孝、黎景怡
制作著作:TBS
主な出演者
阿部寛、長澤まさみ、高橋海人、南沙良、平手友梨奈、加戸清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、江口のりこ、及川光博他
視聴率
平均視聴率:14.8%
最高視聴率:20.4%(第10話、最終回)
最低視聴率:12.6%(第3話)
「ドラゴン桜」の感想
あいかわらずのストーリーがよかった
前作で偏差値36しかない高校生を東大に合格させるというサクセスストーリーを世に送り出した「ドラゴン桜」。それは今回も健在だった。
今作は、あれから16年後、龍山高校に匹敵するくらいの落ちこぼれ校龍海学園が舞台となっていた。
そこで勉強などやる気もない生徒にやる気を出させ、東大合格を目指すストーリーは今回も同様だ。そして、今回は新しい学習方法も取り入れられて今風にアレンジされていた。
たとえばSNSやYouTubeを活用することなど、16年前にはまったくなかったことだし、ましてやスタディサプリまで使うようになるとは思わなかった。
また、前作に引き続き、個性的な先生も登場した。個人的には英語講師のゆりやんがおもしろかった。
今回はサブストーリーもあり、それもよかった
主人公桜木建二は前作以降、順風満帆な生活を送っていたのだが、2年前に東大不合格の生徒が自殺未遂を起こしてしまいマスコミに叩かれてしまった。それ以来、桜木は行方をくらましていた。
物語はそこから始まる。
そして、桜木は龍海学園に招かれるも、そこには理事長と前理事長の親子の確執があり、それが学園売却という陰謀にまで発展していた。
そんな大きな陰謀の全容が最終回でしっかりと完結し、見ているものとしては最後まで気になった部分だ。だからそれはそれでおもしろかったのだと思う。
ただ、個人的には、この陰謀劇のせいで東大合格ストーリーが少し削られてしまったような印象を受けた。もう少し生徒とその家庭中心のストーリーであってもよかったのにとも思う。
出演者のみなさんがよかった
桜木健二を演じる阿部寛さん、そしてその補佐を務めたのは以前生徒役だった長澤まさみさん。どちらも大物の役者さんで、このコンビもとてもよかったと思う。
そして、生徒を演じたみなさんもとてもいい演技だった。
借金で苦しむラーメン屋の瀬戸くん、今まで何もがんばった経験がなかった奈緒、オリンピックに出るのが夢である岩崎、優秀な弟に劣等感を抱く天野、頭はいいが性格が悪い藤井、文系トップでがんばり屋の小杉麻里、昆虫大好きだが発達障害の健太、それぞれを演じた生徒役のみんなの演技力はとても高いものである。
学園を運営する理事長役の江口のりこさんや、教頭役の及川光博さん、校長役の山崎銀之丞さん、みんな個性的だ。
日曜劇場はいつもキャストが豪華だと思うが、「ドラゴン桜」に関してはかなり豪華な布陣だったと思う。
そしてこの豪華なキャストがおもしろいドラマを生み出していたんだなぁとあらためて思った。
最後に
「ドラゴン桜」はやっぱりおもしろかった。さすがに3作目はないだろうと思うが、でもスピンオフでもやってくれたら飛び上がって喜んでしまうだろう。
ところで、阿部寛さんの次回作はなんだろうなぁ。日曜劇場の阿部さんはとてもいい役ばかりなので、またこの枠で見たいものである。