なかなか骨太のミステリーだったというのが感想だ。
犯人は誰なんだろうか?
映画を観ながら常にそれが気になった。
やはり、犯人を考察しながら観るのがミステリー映画の醍醐味だ。
今回は、「ナイル殺人事件」の感想を書いていこうと思う。
「ナイル殺人事件」について
原作はミステリーの女王といわれているアガサ・クリスティ(「ナイルに死す」)。
主役のポアロを演じているのはケネス・ブラナー。この作品の監督でもある。
ちなみにポアロというのはフルネームでエルキュール・ポアロ。彼は明晰な頭脳と鋭い洞察によって数々の難事件を解決してきた名探偵だ。
そのポアロが、この作品内でも殺人事件の犯人を見事に見破るストーリーだ。
では、公式サイトより内容を引用してみよう。
大富豪の美しき娘の新婚旅行中に、クルーズ船内で起きた連続殺人事件。容疑者は、結婚を祝うために集まった乗客全員…。豪華客船という密室で、誰が何のために殺したのか? そして、ポアロの人生を大きく変えた≪衝撃の真相≫とは? 愛と嫉妬と欲望が複雑に絡み合う、禁断のトライアングル・ミステリーの幕が開く。
(ナイル殺人事件|映画|20世紀スタジオ公式より引用)
大富豪の美女リネットとサイモンは幸せな出会いをし、エジプトに新婚旅行に行く。
そうしたら、サイモンの元婚約者ジャクリーンが新婚旅行のパーティーに現れたのだった。
そこで、二人は新婚旅行の予定を変更しクルーズ観光にした。
ところが、そこで殺人事件が起こる。
犯人はクルーズの中にいることは確実だ。しかし、一番の容疑者にはアリバイがある。
ポワロはその中から見事に犯人を見つけるのだった・・・
大雑把だが、こんな内容である。
まさに船の上の全員が容疑者で、誰が犯人なのかポワロの推理が聞けるまでは全然わからなかった。
犯人はあいつだったのか!
結局、最後になるまで私は犯人が全然わからなかった!
ミステリー好きな人や考察好きの人にとっては簡単に犯人がわかるのだろうが、すぐにひっかかってしまう私にはチンプンカンプンだ。
原作者のアガサ・クリスティのせいなのか、それとも監督のケネス・ブラナーのうまさなのか、そこにいる人がみんな怪しく思えた。
動機は?トリックは?アリバイは?
人間は欲に目がくらむと殺人まで犯してしまう。それはリアルでもだ。
本作品の中でも、動機のある人ばかりで頭が混乱する。
そして、すごく怪しいのにアリバイがあったりする。
「あ、この人、こんなこと隠してたのか?」と思ったら今度はその人が死んでしまったりもした。
そんな頭の混乱したなかで、ポアロが謎解きをする。
ひとつひとつ、起こったことを解説し、謎を解いていく。
さすがだなぁと思った。
結局、事件が起きてからポアロの謎解きまで、私は集中しすぎてしまい時間の結末まではあっという間だった。
美男美女とポアロ
今回は、好きな俳優さんが二人も出ていた。
まず、大富豪の女性を演じたガル・ガドット。「ワンダーウーマン」や「ワイルド・スピード」でおなじみのアクションもできる女優さん。
言うまでもなくとても美しい女性だ。
「ナイル殺人事件」ではアクションはなし。ただただ美しくて気品のある女性を演じている。
そして、美男のアーミー・ハマー。多くの映画に出演しているが、印象的だったのがティモシー・シャラメと共演した「君の名前で僕を呼んで」。
美男同士が恋をしてしまう話なのだが、このときのアーミー・ハマーはしっかりとしたお兄さんという印象だった。
ともかくも「ナイル殺人事件」でのアーミー・ハマーはふつうにイケメンだ。
この美男美女同士の共演ということで、完全に私にとっては目の保養。
ストーリーもいいが、この二人がいっしょにいるだけでスクリーンを注視することになった。
彼の演じるエルキュール・ポアロの洞察力といったらものすごい。
常に人を観察しているような視線を感じる。
実際、その観察眼で推理をしているのだからたまらない。
スパッと犯人を言い当てるところ痛快だった。
ただ、作品としてはどこか物悲しくて湿っぽい感じがしていたのだけどね・・・。
最後に
ミステリーなので、なるべく作品の内容に触れずに感想を述べてみた。
私は、ふつうにおもしろく感じた。
犯人とそのトリックがわかったときの驚きが大きいほど満足度が高いと言えるのだが、この作品は驚きは大きかったと思う。
ということで、またケネス・ブラナーが演じるポアロの作品ができたら観に行きたいなぁと思った。