「天国と地獄~サイコな2人~」(2021年)内容と感想:2人の演技力がすごかった

最近、綾瀬はるかさんが出演しているドラマが好きで、彼女が出演するものは見ることにしている。

ただ、「天国と地獄」というちょっとありふれたようなタイトルがつまらなさそうで、途中で飽きることを危惧していた。

「設定もありきたりではないか?」とも思っていた。

ところが、実際視聴してみると、まったくそんなことはない。それどころか回を重ねるごとにのめり込んでいったのである。

そこで今回は、「天国と地獄~サイコな2人~」の感想を書いていこうと思う。

 

 

「天国と地獄~サイコな2人~」情報

放送時期

2021年1月~3月

TBS系「日曜劇場」枠 

 

スタッフ

脚本: 森下佳子

編成・プロデュース:渡瀬暁彦

プロデュース:中島啓介

演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木

音楽:髙見優

製作著作:TBS

 

主な出演者

綾瀬はるか高橋一生柄本佑溝端淳平中村ゆり迫田孝也林泰文野間口徹、吉見一豊、北村一輝 

視聴率

平均視聴率:15.3%

最高視聴率:20.1%(第10話、最終回)

最低視聴率:13.2%(第5話) 

 

「天国と地獄~サイコな2人~」の感想

単なる男女入れ替わり物語ではなかった

男と女の心が入れ替わる物語といえば、古くは

「転校生」だ。石段から一緒に転げ落ちた2人、気がついたらお互いの心が入れ替わっていた。

当時、これはとても斬新なストーリーだった。男の心に女の体を持った人と、女の心に男の体を持った人、その二人の行動を見てるだけで笑えた。

同じように男女が入れ替わる作品を探すと、最近では「君の名は」が挙げられる。この物語は単純に男女が入れ替わるだけでなく、捻りが加えられていて、名作だったと言える。

こんなふうに過去を振り返ってみると男女が入れ替わる設定には既に名作が存在する。

しかし、「天国と地獄」の初回を視聴した時、そんな大したことない作品かもしれないとタカをくくっていた。

強いていえば、正義感あふれる女性警察官と凶悪犯の男性が入れ替わるという設定。そこがおもしろいポイントになるのかと思っていた。

ところが、「天国と地獄」はそんな単純な物語ではなかった。

ミステリー仕立てで描かれていて、ストーリーが進むに連れて謎が増えていく。

「え?どういうこと?」と思ったり、「本当はちがうのかぁ??」と思ったり、毎回ドラマを見るたびに続きが気になる展開だったのだ。

これは単純な男女入れ替わり物語ではない。壮大な謎解き物語だったのだ。

おかげで、「天国と地獄」は最終回まで目が離せなかった。

 

綾瀬はるか高橋一生の演技が最高

警視庁捜査一課の刑事・望月彩子を演じている綾瀬はるかさん、そしてサイコパスな殺人鬼・日高陽斗を演じている高橋一生さん。

第一話の最後のほうまでは、ふつうに物語は進んでいた。

ところが、終盤で二人がもつれて階段を転げ落ちていく。そして、病院で気がついたときに魂が入れ替わっていたのだ。

サイコパスな殺人鬼の中に女刑事の望月彩子が入っている・・・。なんともなよなよとした感じだ。おかまっぽいというのとはちょっとちがうが、女らしいしぐさを日高陽斗がするわけだ。

その高橋一生さんの演技がすばらしい。ちょっと前まで殺人鬼っぽかった顔つきが、急に弱々しくなったのだ。その豹変ぶりには驚いた。

そして、女刑事の望月彩子の中にはサイコパスの日高陽斗の魂が入る。正義感が強くて真面目だった望月彩子だったのが、急に冷酷というかおそろしいというか、なんとも言えない表情に変わった。

その綾瀬はるかさんの演技もすばらしかった。こちらもたちまち豹変したのだ。

「天国と地獄」の魅力のひとつは、綾瀬はるかさんと高橋一生さんの演技力のすごさであると言ってまちがいないだろう。

初回の放送を見て、「よし、このドラマを次も見よう」と思ったのは、その演技力に惹かれたからである。 

最初から最後まで、このドラマは二人の演技力に支えられたと言っても過言ではない。

 

脚本と豪華な出演者が素晴らしかった

このドラマの脚本は森下佳子さん。代表作として、最近だと義母と娘のブルースがあげられる。また過去にNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」、「JIN-仁-」、「百夜行」、「世界の中心で愛をさけぶなどがあり、人気脚本家として有名だ。

そんな森下佳子さんが書いたドラマだから「天国と地獄」もつまらないわけがない。

先程も書いたが、男女が入れ替わるだけの単純な話ではなく、ネットにたくさんの考察が出まわるほど謎を解き明かしたいストーリーだったといえる。

綾瀬はるかさん、高橋一生さんの演技と森下佳子さんの脚本が、このドラマをすごいものにしていたのだろう。

それから、脇を固める俳優さんたちもすごかった。

望月彩子の同居人の役をやった柄本佑さん。そしてその師匠役の迫田孝也さん。

望月のバディである八巻役の溝端淳平さんや、望月を敵対視していた河原刑事役の北村一輝さん。

また日高陽斗の秘書役だった中村ゆりさん。彼女はけっこう好みの女優さんだ。

他にもたくさん出演していたが、けっこう豪華な俳優陣で固められていた。

個人的に、北村一輝さんはやりすぎじゃないかなと思ったが、でもみんなよかった。

まあ、言っちゃうと、主役も含めて、みんなよかったってことかな。

とにかく、「天国と地獄」はすごいメンバーがそろっていたということだ。

 

最後に

「天国と地獄~サイコな2人~」 で久々におもしろいドラマに出会った気がする。それから綾瀬はるかさんと高橋一生さんの演技力もすごかったと思う。

いい役者さんといい脚本、それがそろうと本当におもしろいなぁ。

綾瀬はるかさんの次回作を楽しみに待つことにする。