文学日記
私は家族がそれほど好きではなかった。 もとより、幼い頃から家庭的なものを味わってなかったような気がする。 父が家にいた記憶はそれほどない。 母は、夜中に帰ってくることが多かった。 家には、たいてい妹と私の2人だけになることが多かった。 家族でお…
昨今、世界では争いが絶えない。 多くの死者が出ているという報道を聞く。 国と国、あるいはある勢力と勢力が争う。 争い、そして報復と報復の繰り返しが続く。 そこに美しさはない。 こんな世界にうんざりしているなか、まど・みちおさんの詩「人間の景色」…
あるとき、若山牧水のある短歌を知った。 短歌もよいが、名前もよい。 牧水(ぼくすい)とその名を口に出してみると、その響きがなんとなく心地よい。 それでますます気に入った。 今回はその短歌について書いてみようと思う。 「白鳥は哀しからずや・・・」…
若い頃、よく、幸せについて考えていた。 幸せになりたい。 どうやったら幸せになれるのかなぁ。 そもそも幸せってなんだっけ? 答えがあるようなないような、 そんな課題を常に私は抱えていたのだった。 もちろん今でも答えは出ていない。 ★★★ さて、幸せと…
万葉集といえば、国語の授業で「日本最古の和歌集」と習うくらい有名な作品だ。 と言っても、日常で「万葉集」の話題になることは、ほとんどない。 知識として知ってはいるものの、中身を知る人は少ないのだろう。 ただし、小学生や中学生のときに教わったも…
幸せになりたーい!!! むかしは、いつもそう思っていた。 若い頃は幸せになりたいと、切に願っていた。 金持ちになりたい。 かっこよくなって女の子にモテたい。 みんなに注目されたい。 それが幸せへの道だと思っていた。 ところが、あるとき、私のなんで…
今は亡き石原慎太郎さんが、小池百合子さんに向かって「大年増の厚化粧」と言ったことがあった。 ニュース等で大々的に取り上げられたのでおぼえている人も多いかもしれない。 これを耳にした多くが「なに言ってるんだ、このオヤジ」と思っただろう。 この中…
詩を読んでいれば、中原中也にハマる人もいるだろう。 わたしもまた若い頃、中原中也にハマった。 きっかけは高校生の頃。 国語の先生の紹介したこの詩が中原中也との出会いだ。 北の海 海にゐるのは、 あれは人魚ではないのです。 海にゐるのは、 あれは、…
ときが経つのは早いもので、私ももういい年齢になってしまった。 人生のゴールまですでに折り返し地点を過ぎている。 残された人生を、日々大切にしていきたいものだ。 最近、季節の移り変わりも、すごく早く感じる。 春の気配を感じ、桜がもうすぐ咲くかな…
芥川龍之介の「侏儒の言葉」にこんなことが書いてあった。 ある仕合せ者 彼は誰よりも単純だった 幸せってなんだろう? むかし、明石家さんまさんが、コマーシャルで しあわせーってなんだっけ、なんだっけと歌っていた。 今から30年以上前の歌なのに、今…
日本最古の和歌集「万葉集」には恋の歌がたくさんある。 好きな和歌はいくつもあるが、これはなかなかよい。 君が行く 海辺の宿に 霧立たば 吾が立ち嘆く 息と知りませ 初めてこの和歌を知ったのは、大学の授業だった。 先生が新聞紙を広げて、広告欄にこの…
教科書か問題集か忘れてしまったが、この若山牧水の短歌がけっこう登場するので自然におぼえてしまった。 幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく この短歌、なぜか私の心に入り込んでくる。 数々の名歌の中でも若山牧水の短歌は特に私の心に…
私の片想いの記憶、 それはまず、中学3年生にさかのぼる。 当時、好きだった女の子は私の親友が好きだった。 その親友は、スポーツが得意で明るく、モテるタイプの男の子。 勉強もスポーツもできない私が太刀打ちできるわけもない。 私の恋は当然、実らなか…
わたしと詩の出会い、それは八木重吉だった。 高校生の頃、国語の授業で詩を書いた。 いや、書かされた。 どんな詩を書いたかは忘れたが、短い詩だった。 詩の書き方もわからぬまま、ただ思うままに書いた。 私の拙い詩を読んだ先生は一言、 「八木重吉みた…
若い頃、人生の目的についてずっと考えていたことがあった。 自分はなんのために生きているのだろうか、そして命とは何かと。 生きる意味ってあるのかなぁと真剣に悩んだこともあった。 そんな私だから、このまま死んでもいいのではないかと思っていた時期も…
先日、職場の先輩が亡くなった。 いまの職場に来てもうすぐ10年になるが、先輩はすでにそこで働いていて、いろいろお世話になった。 先輩は亡くなる前日も働いていたので、誰もが彼の死など考えてもいなかっただろう。 私も先輩とは仲がいいほうだったので…
先日、知らぬまに「ぞうさん」の歌をくちずさんでいた。 「ぞうさん、ぞうさん・・・」で有名なあの歌を。 子どもの頃よく歌ったし、今でもどこかで聞いたりする。 きっと、どこかで誰かが歌ったのを思い出したんだろうなぁ。 それでくちずさんじゃったんだ…
沙弥満誓という歌人が詠んだ、こんな和歌がある。 世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く舟の跡の白波 私はこの和歌を読んだあと、なんとなくさみしくなってしまった。 人生ってなんだろうとか、この世界ってなんだろうとか・・・。 今回、私がさみしくなっ…
高校生の頃、恋愛について一生懸命考えていた時期があった。 「愛するってどういうことなのか」とか「恋愛と結婚は別なのか」とか、または「恋と愛のちがいは何なのか」とか。 いろいろ考えるのが青春時代ってやつかもしれないが、恋愛に関してはとにかくた…
みんな学生時代の思い出って輝いているのかな? この詩を読むと、そんな思いを抱いてしまう。 学校遠望 丸山薫 学校を卒(お)へて歩いてきた十幾年 首(こうべ)を回(めぐ)らせば学校は思ひ出のはるかに 小さくメダルの浮彫のようにかがやいている そこに…
空って不思議! 青空を見ていると心が温かくなり、曇り空を見るとちょっと憂鬱になったりする。 雲ひとつない真っ青な空を眺めるのも気持ちいいし、流れる雲を眺めたりするのもまたおもしろい。 やっぱり空って不思議だ。 それに、いろんな歌に空が登場する…
ことばの暴力って最近聞くようになったフレーズで、むかしはそんなになかったような気がする。 現代社会は昔より陰険になってきたような気がする。肉体的な暴力はもちろんだめなわけだが、ことばの暴力は案外自分でも知らぬ間にみんなやっているのかもしれな…
昨日、久しぶりに父と話をして・・・ まあ、親としても、息子がコロナにかかっていないか心配なようで・・・ ちょっとさみしい部分もあるのかな、息子と半年以上もあってないので・・・。 そんなわけで、少々電話で話した。 でも、投げかけてくることばは辛…
俵万智さんの短歌で有名なのがこちら。 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ たしか学校の教科書にも載っていたはず。 この短歌、めっちゃ共感しちゃうんだけど、多分みんなもだよね? 今回、この短歌について思ったことをみるこ…
最近読んだ詩が、妙に心にひっかかって何度も読んでしまった。 作者は牟礼慶子さんというかたで、私が国語の先生をしていた頃に、この詩が問題として出題されていた。 そのときはどうやって生徒たちに理解させようかということばかり考えていたので、あんま…
吉野弘っていう詩人がいて、教科書なんかに詩が載っかっていたりする。 「奈々子に」とか「虹の足」とかが有名な詩なのかな。 それで数年前に吉野弘の詩集を買って読んでみたんだが、これがなかなかよい。ひとつひとつ考えさせられるものが多い。 最近、ちょ…
万葉集を愛するみっちーです。 万葉集の中でもとりわけ有名な、山上憶良の子どものことを詠んだ和歌。これは教科書にも採用されるほどです。 最近、思うところがあって、この和歌がなんとなく好きになってきました。今回のブログでは、山上憶良の「子等を思…
趣味はことば集め!!! みっちーです。 ことばは人をやる気にさせるし、喜ばせたりもしてくれます。 それではさっそく、私の好きなことば紹介したいと思います。 今回のことば このことばを知ったきっかけ 年を重ねるということ このことばを知って思ったこ…