この作品、「全編ワンカット」というフレーズが予告で飛び込んできて、ちょっと気になっていたのが数ヶ月前。私のなかで「ワンカット」といえば「カメラを止めるな」なのだが、そういう意味でワンカットには興味があった。
そうこうしているうちに、この作品が賞レースに飛び込んできていた。ゴールデングローブ賞では作品賞と監督賞を受賞し、アカデミー賞では撮影賞・録音賞・視覚効果賞の3部門受賞。堂々たるものだ。
なんで日本はなかなか上映されないんだろうといつも思う。この作品もアカデミー賞の発表前までには観たかった。
ようやく2月14日になり、日本でも上映されることとなった。私はTOHOシネマズ新宿のIMAXレーザーでこの作品を観ることにした。
作品情報
【公式ツイッター】
監督は「007 スペクター」や「007 スカイフォール」でおなじみのサム・メンデス。
主人公のスコフィールドを演じるのはジョージ・マッケイ。「はじまりへの旅」が有名らしいが私は未見。彼が出演している「マローボーン家の掟」は鑑賞したのだが、なかなかよかった。
そしてその相棒であるブレイクを演じるのが「ゲーム・オブ・スローンズ」のディーン=チャールズ・チャップマン。残念ながら私はこのドラマを観ていない。
あと、ちょっとだけであるが、コリン・ファースやマーク・ストロング、そしてベネディクト・カンバーバッチが出演していて軽く驚いた。「こんな大物がこんなところで!」みたいな感じだ。
なお、前述のように、この作品はアカデミー賞を3部門も受賞しており、評価の高い作品だと言える。
あらすじ
第一次世界大戦真っ只中の1917年のある朝、若きイギリス人兵士のスコフィールドとブレイクにひとつの重要な任務が命じられる。
それは一触即発の最前線にいる1600人の味方に、明朝までに作戦中止の命令を届けること。
進行する先には罠が張り巡らされており、さらに1600人の中にはブレイクの兄も配属されていたのだ。
戦場を駆け抜け、この伝令が間に合わなければ、兄を含めた味方兵士全員が命を落とし、イギリスは戦いに敗北することになる―
(公式サイトより抜粋)
簡単に言うと、
スコフィールドが作戦中止の命令を前線に届けるために、必死に走る
という内容。
感想
圧倒的に映像と音の作品。できればIMAXで観るべき映画だ。
やっぱり特筆すべきはワンカット映像
いろんなレビューを読んでみると、多くの人が「ワンカットというのは言い過ぎ」みたいなことが書いてある。だから「ワンカット風」というのが正しい言い方なのかもしれない。
それでも、そのワンカット風の撮り方が、こんなに臨場感を増し迫力のある作品をつくりあげるものだとは想像していなかった。
主人公のすぐそばから撮影されていて、視点は現場にいる人の視点であるから臨場感がすごいのは当たり前だ。戦争の現場にいるようなものだからものすごい迫力だった。
IMAXで観るのが望ましい
この作品に関しては、絶対に映画館で観たほうがよい。家で観るのと大きなスクリーンで観るのとでは、臨場感や迫力が全くちがう。
さらにできることなら、IMAXのような迫力を楽しめるような劇場で観たほうがいいだろう。
もし、今後、劇場で再上映されるようなことがあったら、ぜひ足を足を運んでほしい。
セットがすごかった
セットも作り込んであって、そこも見どころだ。
第一次世界大戦中、イギリス軍はドイツ軍から身を守るために塹壕をつくって、そこでスタンバイしていたことが知られている。
その塹壕がかなりの大規模なさまで再現されている。CGではなくセットとして作り込まれたものなのだ。あれは圧巻だった。
もちろんそれだけではなく、鉄条網やら破壊された街やら、いろいろなセットが大規模に展開されていて、ものすごい。飛行機が飛んでたりするのだが、あれも本物なのだろうか。
どうやって撮影したんだろうか?
ワンカットで撮っているのに、どうしてそんなふうに撮ることができたか不思議なシーンもたくさんあった。ドローンでも使ってるかのようなシーンもあったけど、マジで不思議だ。
ホントに映像はすばらしかった。それだけでも観た価値はあったと思う。
ストーリーはどうかといえば、命をかけて前線に伝令を届けに行くだけのシンプルなものだ。そういった意味では、物語性を重視する人にとってはイマイチかもしれない。
ただ、私にとっては、それを差し引いてもあの映像はかなりよかった。
満足度
映画館を出て、かなりおなかいっぱい状態だった。圧巻というにふさわしい映像をみせつけられた気がする。
ということで、
満足度 ☆☆☆☆☆(☆5つ)