めっちゃしゃべりがおもしろいYoutuber、それがラファエルさんの印象だ。
その彼がビジネス書を発売したという。どんな内容か、興味がでるのは当たり前!
ただ、Amazonのレビューを見るとけっこうボロクソに書いている人がいる。
単なるタイムマネージメントとYouTubeの本であり、秒で決める内容ではない。ラファエルさんは好きだっただけに残念な内容でした。
内容は当たり前の事が書かれてます。何度も識学について書いてるので、恐らく宣伝でしょう、
(いずれも、アマゾンのレビューより引用)
みたいな感じだ。
そんなひどいのぉ~?
私はますます気になってしまって読んでみることにした。
とういうことで、今回はラファエルさんの「秒で決めろ! 秒で動け! ラファエル式秒速タイムマネージメント」の感想を書いてみようと思う。
著者情報
著者
ラファエル
Youtuberであり、実業家。現在いくつかの会社を経営している。
大阪で生まれ、定時制高校を卒業後、パチンコ店に勤務。
その後、自衛隊や営業職を経て、Youtuberに。
以前のYouTubeチャンネルは200万人以上のチャンネル登録者がいたが、アカウントが停止されてしまった。
現在のチャンネルは162万人(2020年5月18日現在)
【YouTubeチャンネル】ラファエル Raphael - YouTube
内容紹介
はじめに
第1章 利益を最大化するには、「時間」をかけないことである
第2章 遊びも睡眠も、プライベートな時間を徹底的に削ぎ落とす
第3章 機動力を高めるには仕事のスキマ時間を有効に使え!
第4章 体を鍛えておくと、心も体もスピーディーになる
第5章 1秒でも早く育てる! ラファエル流・マネージメント術
第6章 時給日本一Youtuberとしての心構え
おわりに
この本は、Youtuberだけでなくどの業界で働く人にも役立つタイムマネージメントの方法を6章に区切って書いたものである。
ちなみに、ラファエルさんは「はじめに」でこう述べている。
僕がビジネスの主軸にしているのは、生き馬の目を抜くYouTube業界だ。
流れが速いこの業界で、1カ月も後れをとるとなれば、その間に数多くのライバルたちに出し抜かれてしまう。
もちろん、これはYouTube業界に限ったことではないと思う。どの業界だって、競争、競争、競争の連続だ。1位になる、少なくとも上位に入賞するためには、スタートダッシュが肝心だ。
だったら秒で決めなきゃ。そして秒で述べなきゃ!
ビジネスの世界ではスピードが基本だ。タラタラ仕事をしていいのは地方の公務員くらいだろう。テキパキ仕事をこなさなければ、どんどん取り残されてしまう。
本書は、もっと効率よく仕事したい人には必見の本である。
感想
この本にはYouTubeで見るラファエルさんの面影が見えない。あれだけ注目を集めるラファエルさんの、陰の努力がうかがい知れる本。仕事の基本がわかっていない人は必見。
仕事に関する教科書的な内容
タイトルには「タイムマネージメント」とあるが、内容はそれも含めた仕事の仕方である。要するに「すぐ決めて、すぐ動け」ということなのであるが、それができないのが人間だ。
だから、すぐ決めてすぐ動くにはどうしたらいいのかということについてのマインドや方法論が書かれている。
決断の決め手は、第六感、直感といってもいいと思います
という大胆なことも書かれているが、それくらい「秒」で行動することを強調するのがラファエルさんの考え方だ。
だいたい、仕事ができない人ってなんでもおそい。だから決断すべきことは「秒」で決めちゃったほうがよさそうだ。早くとりかかれば、まちがってもとりかえしがきく。
そして、書いてあるのは、時間に関することだけではない。
自分の得意なこと、つまり「できること」を仕事にするのが、成功への最短ルートといえます。
というように、成功への到達方法までしっかりと書かれている。
特に新入社員みたいな社会人なりたての人は読んでおくとためになる内容ばかりだ。
また、私が個人的に心に響いたのが次のことばだ。
筋肉に負荷をかけるように、仕事にも負荷をかけなければ自分のスキルは成長しない
若い頃、似たようなことを上司から言われたが、自分に負荷をかけてこそ自分は成長できるんだと、あらためて考えさせられた。
豊富な実例
Youtuberであり、自衛隊員だったこともあり、また営業マンであった過去を持つラファエルさん。たくさんの経験をもとにした豊富な実例が紹介されていて、とてもわかりやすい。
例えば、ラファエルさんの時間の使い方は自衛隊時代に学んだことだそうだ。
有事の際、もし出勤が遅れたら「○万人が死ぬ」とか、「3分だと○万人が死ぬ」というシミュレーションがある
とのこと。そのこともあって、効率的に時間を使うようになったようだ。
また、ラファエルさんは営業マンの時代からトレーニングジムに通っていたそうだ。それはスーツをかっこよく着こなせるようにするためだ。それについては、こう述べている。
いくら営業のトーク技術を磨いても、営業先で窓口突破を可能にするには、やはり「見た目」の第一印象が重要視されるというのが僕の導き出した結論です。
ラファエルさんのことだから、きっと営業トークもすばらしかったにちがいない。それに加えて見た目の印象にまで気を配っていたのだから、Youtuberになる前からプロ中のプロだといえよう。
こんなふうに、この本の中には、ラファエルさんの経験に基づいた考えや行動がたくさんつまっている。それがわかりやすくて読みやすかった要因かもしれない。
ラファエルさんのスケールの大きさがよくわかった
いろんなYoutuberのチャンネルを見ているとピンからキリまであるが、やはり一流はちがうなぁというのがわかってくる。ノリと才能だけでやっているYoutuberと、そこに研究や努力を加えている人とは、どうしても差が出てくる。
ラファエルさんはというと、もちろん後者だ。だが、それだけではない。Youtuberとしての自分を徹底して管理している。
ただおもしろい動画をつくるだけでなく、おもしろい動画をどうやって量産するのかということまで考えている。しかも、いくつかの会社を運営しながらなのだ。
さらにすごいのは、Youtube全体を見渡しているということ、またYoutubeの未来を見据えているというところだ。
ラファエルさんの動画を見ていただけでは全然見えていなかったものが、この本を読んでいろいろ見えてきた。そういう意味で、あらためて私はラファエルさんのことを尊敬してしまった。
満足度
この本を読むとき、ふつうのビジネス書として読むと少し物足りないものがあるかもしれない。それがレビューで悪く書く人がいた原因だと思う。
しかし、ビジネスの書かれた内容と著者はセットである。著者の経験に裏打ちされた文章というのは非常に説得力があり奥が深い。そういう部分が読み取れない人は、どんなビジネス書を読んだってためにならないだろう。
だから、この本はラファエルさんを知るきっかけとしてよかったと思う。ただ、欲をいえば、もう少しラファエルさんの個性が出ていたらなぁと思う。よって、満足度は☆をひとつ落としてしまった。
ということで、
☆☆☆☆(☆4つ)
まあ、動画があれだけ個性的なのだから、あれ以上の個性を出せというのは求めすぎかもしれないが・・・。
ラファエルさんの著書はこちらです↓↓↓