あの頃、ちょうど私はテレビを持っていなかった。2011年に地デジが終了し、私はブラウン管のテレビをそのままゴミにして、その後テレビを見ることをやめた。
テレビを見ないことを、一種の誇りに感じていた私は「テレビ番組などくだらないものばかりさ」などと思っていた。
ところが、そのせいで、あの頃一世を風靡した「半沢直樹」を見逃してしまっていたのだ。みんながみんな「倍返しだ!」と言っていた頃、私はついていけずにいた。
さて、2020年になって「半沢直樹」の続編とやるという。これは前作を見ておかねばなるまい。私は急いでレンタルすることにした。実は「半沢直樹」はどの動画サイトでも見ることができない。
NetflixやHuluはおろか、TBS系のパラビでさえ配信されていない(※1)。そこでTSUTAYA DISCASに登録して、「半沢直樹」のDVDを自宅に送ってもらうことにしたわけだ。
(※1:ようやく最近Tverやパラビで配信されました)
今日は、その「半沢直樹」の感想を書いていこう思う。
「半沢直樹」情報
放送時期
2013年7月~9月
TBS系「日曜劇場」枠
スタッフ・制作など
原作:池井戸潤
脚本:八津弘幸
プロデューサー:伊與田秀徳、飯田和孝
制作:TBS
主な出演者
他
視聴率
平均視聴率:29.1%
最高視聴率:42.2%(第10話、最終回)
最低視聴率:19.4%(第1話)
※「半沢直樹」最終回の42.2%は1977年9月26日以降に放送されたドラマの中で歴代2位の記録。
(1位は「積木くずし・親と子の200日戦争・最終回)
※2013年の平均視聴率ベスト3
1位:半沢直樹 29.1%
2位:ドクターX 22.7%
3位:ガリレオ 19.8%
「半沢直樹」は2013年のドラマの中で、もっとも視聴率をとったドラマである。
「半沢直樹」あらすじ
ドラマの概要
主人公は半沢直樹。バブルの時代、銀行員はエリートの代名詞だった。そんなときに東京中央銀行に入社した半沢直樹が、銀行内外に現れる敵と戦っていく話である。そして、このドラマは2部に分かれている。
第一部・大阪支店編
ある日半沢は、支店長の浅野から今まで取引のない西大阪スチールへの融資を持ちかけられる。半沢は十分な審査をしようとしたが、浅野の独断で「無担保で5億円の融資」が実行されてしまった。
そのおかげで大阪西支店は目標額を達成したわけだが、融資先の西大阪スチールは粉飾決算が発覚し倒産、社長は雲隠れしてしまい融資された5億円が焦げ付く事態に陥るのであった。
しかも支店長の浅野は、その責任を融資課長である半沢にすべて押し付けたのであった・・・。
第二部・東京本店編
半沢直樹は東京中央銀行本部に栄転となり1年が経過しようとしていた。半沢はそこで数十人の部下を取り仕切り活躍していたのだった。
金融庁検査を二週間後に控えていたある日、200億円の融資がなされた伊勢志摩ホテルが120億円の損失を出していたことが判明した。
経営再建のため、頭取は半沢直樹を伊勢志摩ホテル担当に任命する。もし経営再建案が金融庁に認められなければ、東京中央銀行の経営は大きなピンチを迎えることになる。
ところが、伊勢志摩ホテルの女性専務・羽根夏子は半沢直樹に非協力的だったのだ・・・。
「半沢直樹」の感想
さすが最高視聴率42.2%のドラマだけあって、最後まで目が離せない展開だった!
池井戸潤さんの原作がすばらしい
池井戸潤さん原作のドラマといえば「半沢直樹」以外に代表作として「下町ロケット」や「ノーサイドゲーム」があり、映画では「七つの会議」や「空飛ぶタイヤ」がある。どれも評判の作品だ。
私も、上記のドラマを視聴していたが、会社組織の問題を取り扱った重厚な作品でありつつ、人間の熱い部分を描いた感動的な作品だった。
「半沢直樹」も例に漏れず、銀行をテーマにしながら主人公半沢直樹の父の話や妻や同期などの人間的側面を描いた、とても熱い作品だった。
やはり、これは池井戸潤さんの原作がすばらしいにちがいない。
池井戸作品の中で私は「七つの会議」しか読んだことがないが、ぜひ他の作品も読んでみたい。
半沢直樹がすごい!!!
このドラマのすごいところはなんと言っても半沢直樹という人だろう。銀行に殺された父の敵がいる東京中央銀行に入社した半沢直樹、すごい執念だ。
「やられたらやり返す、倍返しだ」が口癖のとおり、きっちりとリベンジを果たす。まちがっていると思ったら上司にだって屈服しないとても強い男だ。
ただ、単純に執念深いわけではなく、情に厚く正義の人でもある。
部下の代わりに自分が罵声を浴びせられたり、同期の裏切りを許したり、とても懐が深い人だ。
仕事もすごくできる男で、取引先からの信頼もすごく厚い。
そんな誠実な男だからこそ、見ているほうはとても応援したくなるのだろう。ドラマの設定であるとはいえ、銀行って本当にきたないところだなぁと思ってしまった。そんなドロドロした社会の中にあって、ブレない半沢を見ていると本当にスカッとした。
私も半沢直樹みたいになりたいものだ。
脇を固める俳優さんたちも重厚
まずは半沢直樹の敵である大和田常務役、香川照之さん。どのドラマを見ても香川さんって本当にすごいと思うが、「半沢直樹」での大和田常務は史上ナンバーワンといってもいいくらいのハマり役だったように思う。
権力闘争の中心にいて、不正を平気で行い、必要のない部下は簡単に切り捨てる男、そんな憎たらしい役を香川さんは演じていたが、とてもすばらしかった。香川さん以外の大和田常務はもう想像できない。
半沢の同期の渡真利を演じた及川光博さんは知的な感じがとても似合っていた。近藤を演じた滝藤賢一さんは、ああいう役を演じさせたら右に出る者はいないという感じだった。
半沢直樹の妻、半沢花は上戸彩さんが演じた。夫思いのいい妻でめっちゃかわいい。それもアイドルみたいなかわいさというよりは人間としてのかわいさだ。こんな妻がいたら仕事がんばれるよね。
書いていたらキリがなくなるが、他にも豪華なメンバーが多数出演している。実力派俳優陣たちに支えられて、「半沢直樹」がよりよいドラマに仕上がったのだろうと思う。
まとめ
2013年、主人公の決め台詞「倍返し」が流行語大賞にまで選ばれるほど社会現象になったドラマ「半沢直樹」。
日本のドラマ史上、このドラマを抜きに語ることは不可能だと言っていいだろう。
そして、実際に見てみたら「半沢直樹」はとてもすばらしいドラマだった。死ぬまでに一度は見たいドラマであるのはまちがいない。それくらい見ごたえのあるドラマだったと思う。