「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の備忘録

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2022年2月9日〜5月30日まで開催されている「メトロポリタン美術館展」に行ってきた。会場は六本木にある国立新美術館である。

メトロポリタン美術館は1870年にアメリカ・ニューヨークに創立された美術館で、先史時代から現代までの世界各地の文化遺産を所蔵している。

今回は、ヨーロッパ絵画部門2500点の所蔵品から名画65点が展覧される。そのうちの46点は日本初公開というから西洋絵画ファンにとってはとても熱い展覧会だろう。

内容としては、15世紀の初期ルネサンスから19世紀のポスト印象派までの西洋絵画500年の歴史を彩った巨匠たちの傑作が揃っている。

私のような素人にも見応えはたっぷりだったといえる。行ってよかった。

 

本当は、お気に入りの絵画をここに紹介したいところだが、私の知識不足と引用元が探せないということもあり、ごく一部だけの紹介となる。

とりあえず、どんな絵があったのかをほんのちょっとだけ見ていきたい。絵の紹介にはすべて新国立美術館の公式ツイッターからの引用とする。

 

まずはこちら。

メトロポリタン美術館展」のポスターにもなっている作品。「女占い師」というタイトルで一見したところ何が言いたいのかわからない。

どうやら右側の女性が占い師で、若い男がいぶかしげな表情で占い師の話を聞いている。ところが、男を取り囲む女たちが男の持っているものを盗もうとしていることがわかる。悪い女たちだ。

正直言って、この絵がすごく印象に残ったわけではなかったが、なんとなくおもしろいなぁと思った。作者のジョルジュ・ド・ラ・トゥールは「夜の画家」と言われているらしいので、今度はそれを感じさせる作品を鑑賞してみたい。

 

こちらは逆にとても印象に残った作品。

ルカス・クラーナハ「パリスの審判」という神話主題の作品。

ユノ、ミネルヴァ、ヴィーナスの3人の女神のうち、誰が最も美しいかをトロイアの王子パリスが判定している場面を描く。王子はヴィーナスを選ぶ。

写真ではわかりにくいが、女神たちの肌がとてもやわらかそうに描かれている。生々しいといってもいいかもしれない。

「パリスの審判」を主題にした絵画は多くの画家が主題にしたということなので、他の画家の作品もいずれ鑑賞してみたい。

 

続いてこちら。

ヤン・ステーン「テラスの陽気な集い」。ひとつの絵の中に大勢の人がいて、みんな楽しそうだ。この絵はひとりひとり観察して見たらおもしろい。

真ん中の女主人の視線はこちらにあり、胸をはだけて誘っているようだ。その横の子どもはどさくさに紛れて何かを持ってきている。その子どもの斜め後ろには作者のヤン・ステーンがいる。なんだか変な顔だ。さらにその後ろの女にせまっている男は舌を出しているように見える。めちゃくちゃだね(笑)。

ところで、オランダでは「ステーンの一家」ということばで「散らかった場面」を意味するらしい。それだけこの絵が有名だということだろうか。

 

西洋絵画に全く詳しくない私でもその名は知っているモネの作品。

モネの睡蓮はとても有名だが、この絵はなかなかわかりづらい。モネは約30年間自分の家の庭に作った睡蓮の池をモチーフとして描き続けたらしいので、他の作品とあわせて鑑賞したいところだ。モネという人物の歴史ももっと勉強してみたい。

 

さて、このブログではたった4点しか作品を紹介しなかったが、実際はものすごい数の作品が展示されていた。ちゃんと鑑賞したら一日では回りきれないくらいだと思う。

やはり500年の歴史というだけあって見応えがありすぎた。そして美術の素人からしてみると勉強不足すぎて消化不良だった。

西洋絵画の勉強をもっとしていきたいと思う次第だ。

 

いずれにしてもメトロポリタン美術館展に行くことができてよかったと思う。